私は、貰い煙草をする屑である。普段は喫わず、ニコチン依存による禁断症状も起きない。ただ、酒席になると喫いたくなるのだ。
ならば、自らの煙草を持参すれば良いではないか、というご意見は至極もっともである。しかしながら、私は根が極めて意思薄弱にできており、嗜好品の類が大好物であるため、購めれば手持ちがあるだけ喫ってしまうという欠陥を抱えている。それが故に行き着いた首つり台の下、それが貰い煙草である。
以下に、貰い煙草をする際の、私なりの鉄則を記す。ご参考になれば幸いである。
いただき方
大切なのは、大変申し訳なく、「すみません」という態度でいただくことである。実際、傍迷惑な話だ。あなたの領地に侵入してしまうことへの、心からの謝罪。そして、お相手の善意につけ込み、一本、ときには数本に及んで、いただく。平身低頭、お煙草をいただく立場である下衆、と自らを省みることが肝要である。
銘柄
いただける煙草の銘柄は、何でもウェルカム。自身の希望を申し上げるなど、言語道断というものだ。しかし、私は甘い煙草を好むので、ARK ROYALやBLACK DEVILなどをいただけたなら、僥倖である。
喫いながら
お煙草をいただいたお相手と、気持ち良く歓談することも重要である。ありがたい、という心根を忘れてはならない。実においしく喫煙させていただいている、という気持ちを胸に、フィルター直前の根元まで喫い切るのが、お相手への礼儀というものだ。
喫ったあと
「本日はお煙草を誠にありがとうございました、実においしかったです」と、笑顔で伝えるのが理想である。正直に白状すると、私はそこまで徹底できていない。非礼にも、「もう一本いただけませんか」などと強気な態度に出ることもある。
金銭
貰い煙草をしている以上、対価については常に考えていなければならない。十円、五十円、百円、二百円…と、お相手との信頼関係に基づいて金額を決定する。
もし、お煙草一箱分ほどの金銭を求められたなら、謹んでお支払いする。お相手は何も間違ってはいない。そこで疑問が起こるならば、貰い煙草はやめた方が良い。間違っているのはこちら側である。「いいよいいよ、一本くらい」などと言っていただけたならば、御の字というもの。仮に、壱萬円をよこせ、と強請られたならば、「何を言っていやがる、煙草の一本くらいでつけ上がりやがって、この野郎」くらいの反論はしてもよろしい。
おわりに
私はそうして過ごしている。これまで、特に問題が起きたことはない。さあ、あなたもレッツ貰い煙草。


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