映画『勝ち切る覚悟 〜日本一までの79日〜』

勝ち切る覚悟

映画館で『勝ち切る覚悟 〜日本一までの79日〜』を観た。
2024年、セントラル・リーグを3位で通過し、ぎりぎりでCS(クライマックスシリーズ)に進出、そして、まさかの下剋上を果たし、悲願の26年ぶり日本一を掴み取った、横浜DeNAベイスターズの舞台裏を映し出したドキュメンタリー映画である。
ベイスターズファンには堪らない内容となっており(逆に言うと、ベイスターズファン以外は楽しめないかもしれない)、最高であった。
試合結果は既にわかっているし、ネタバレをするような作品ではないと思われるので、その感想を書いていきたい。未見で、余計な先入観を与えられたくない方は、ここで「戻る」ボタンを押して、ご退出を願いたい。

満足したところ

キャプテン・牧選手の奮闘

映画は、三浦大輔監督(人呼んで「ハマの番長」)の、牧秀悟選手への言及から始まる。
2024年シーズンで、キャプテンを務めた牧選手。作中で、最も密着されているのもまた、牧選手である。「チームの要として、良い打撃をしなければ」と語る牧選手の背中には、相当なプレッシャーが掛かっていたことが窺える。
しかし、持ち前の明るい性格と、不屈の闘志で乗り越えていく。牧選手の明るい性格が、チームのムードを良い方向に持っていったであろうことは想像に難くない。
自ら選手ミーティングを申し出るなど、内部的にも、キャプテンとして相応しい活躍をしてくれたと思う。

ガッツマンのダイビングキャッチ

一瞬だが、桑原将志選手(人呼んで「クワ」または「ガッツマン」)のスーパーダイビングキャッチが、スクリーンに映る。格好良過ぎる。泣ける。
日本シリーズで、攻守に渡って活躍し、チームを牽引、MVPにも輝いた桑原選手。実は、頸椎が機能していない。それでも、桑原選手はダイビングキャッチをし続ける。「クワが取れなかったら仕方がない」と思えるほどに、スーパープレイの連続である。まさにガッツマン。漢の中の漢。

正捕手・山本捕手の悔しさ

ベイスターズの正捕手である、山本祐大捕手のインタビューが非常に良かった。
山本捕手は、試合中にデッドボールを受け、右尺骨を骨折し、戦線を離脱。そのときの舞台裏が映し出される。痛みに耐える山本捕手。「ちょっと時間ください」と三浦監督に言い、どうにかして戻ろうとする。しかし、市内の病院で精密検査となり、がっくりとうなだれる。
後日のインタビューで、「シーズンをやり切りたかった」と語っていた。山本捕手を欠いたことで、ベテランの戸柱恭孝捕手と伊藤光捕手が覚醒、大活躍するのだが、山本捕手がいた世界線のCSと日本シリーズも観てみたかった。正捕手としての矜持もあるだろう。悔しさが痛いほど伝わってくるインタビューだった。

物足りなかったところ

外国人選手のインタビューが少ない

タイラー・オースティン選手(Tyler Austin、人呼んで「TA」)が少しインタビューに答える場面があるが、基本的に外国人選手は、姿は映っても、発言はない。
先発のローテーションを担ったアンソニー・ケイ投手やアンドレ・ジャクソン投手、また、2025年シーズンでは退団してしまうが、J.B.ウェンデルケン投手やマイク・フォード選手の話も聞いてみたかった。そう思うのは贅沢だろうか。

記憶での補完が必要

恐らく放映権の関係、大人の事情だと思われるが、ホームランや一打逆転の場面で、ボールの行方が映し出されないことが多かった。
カキーン!おお、良い当たりだ、ホームランか?と思いきや、次のカットは、ベンチで歓喜する選手たち。結局ホームランだったのかどうかは描写されない。「確かこの場面は…」と記憶で補完する他ない。

まだまだいけるぜ、俺たちは

上映時間は81分。全然まだまだ観たい。もっとボリュームがあっても良かった。
例えば、京田陽太選手(人呼んで「バトルフェイス京田(略してバッフェ)」)など、一度もインタビューがなかった選手も多数いた。選手全員にインタビューする勢いでやって欲しかった思いはある。
CS進出前のペナントレースは結構あっさり終わってしまったので、4位から3位に滑り込もうと奮闘するベイスターズの姿を、詳細に観たかったように思う。

おわりに

DVD、出してくれますよね、南場ママ!(南場智子DeNA会長、兼球団オーナー。ファンからは「南場ママ」として親しまれている)

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